欧州の弁護士の歴史

弁護士

法

弁護士とは、日常生活の中で起こる紛争や事件について、法律の専門家として適切な対処法や解決策をアドバイスする仕事です。

時にはトラブルを未然に防ぐための予防策を提供することもあります。

具体的に法律やトラブルのどの範囲に弁護士が関わるかということは、その時代や法律によって様々です。

現在の弁護士制度は欧州、特に西ヨーロッパで発達したものが起源です。

中世の西ヨーロッパでは、弁護士制度は主にローマ法の制度として発達しました。

ローマ帝国時代に法廷内での弁明を行う有識者がおり、これが前身であると考えられています。

当時は法廷で弁論を行うことと、法定外で法律相談を受けることは別々の仕事でした。

この影響を受けて、現在でも法廷に立つ法律家とそうでない法律家を分けている国も存在します。

この後、ローマ帝国の発展と共に弁護士は職業とみなされるようになりました。

中世ヨーロッパの時代に入ると、現在の法学部に当たる、法律を学ぶための学部が各大学に設置され、法律家を養成するための土壌が整っていくことになります。

イギリスの弁護士事情

イギリス国旗

イギリスという国で働く弁護士は世界的に見てもかなり高い給与を受け取っていることが分かっています。

2014年のデータではイギリスで働く弁護士の平均年収は44,787ポンドとなっており、一般労働者の平均年収である26,500ポンドと比べるとかなり高い額になっています。

実際こうした高い給与水準目当てに海外からイギリスで弁護士として働くことを目指すという人も増えているため、世界的にもかなり恵まれている国であるようにも見えます。

ただしイギリスという国で考えなくてはならないのは高額な所得税です。

44,787ポンドという高額な収入を得ていても40%は所得税で国に持って行かれますから、手元に残るのは26,872ポンドとなり所得税を差し引かれる前の一般労働者の収入と変わりません。

1ポンドを160円として考えると約430万円、さらに日本の物価と比べるとイギリスは1.5倍ほど高くなっていますから、実際にはかなり生活は苦しいとしても考えられます。

もちろん一般労働者と比べればはるかに恵まれているでしょうが、残念ながら弁護士にとっての夢の国とも言えない状態なのです。

フランスの弁護士事情

フランス国旗

フランスの弁護士の数は約5万人で、その半数が女性で40歳以下と若い年代となっています。これは、ここ10年の間に4割近くも増えたからです。

この急激な増加により、弁護士と公認会計士などの業種間の競争が激化しています。

こうした競争の激しい中で、弁護士の自殺や病気による廃業する人も増加傾向にあります。

また、鬱症状で労働不能になり所得保障を受ける人も目立っています。

半数を占める若手と女性に、アルコール過剰摂取や心理的問題が多く生じています。

そのため、弁護士全体へのメンタルヘルスへの啓発が必要となっており、鬱症状になる予備軍が相当数いると思われているのが、今のフランス弁護士界の事情と言えます。

職業柄、周囲がその職業に抱くイメージを保持しながら仕事をする必要があるため、その多くが鬱病やアル中になり、自殺しているなどという実情を公表することが許されないと思われています。

こうしたことから、多くが孤立し、自分が心理的問題を抱えていることを恥ずかしく思い、そのことが周囲に知られることを恐れているのです。

これによって鬱病に陥ってしまいます。

ドイツの弁護士事情

ドイツの国旗

ドイツでは毎年約6000人の弁護士が誕生しています。

全体では13万人以上の有資格者が存在します。合格率自体は80%以上となっていて、合格自体はそんなに難しくないのですが、「優」以上の成績で合格するのは約14%に過ぎません。

「良」の成績は約35%となっています。「良」までの成績であればそこそこの就職先を見つけることができますが、約40%を占める「可」の有資格者にとっては就職状況が非常に厳しくなります。

なお毎年数百人規模の弁護士が破産申請を行っています。このように弁護士になるのは比較的容易ではありますが、有資格者が過剰な状態となっています。

このため、資格を取って仕事経験を積んでいずれは独立という人生プランはほぼ不可能で、むしろ事務員として雇われたり、パートタイムとして働かなくてはならないケースも決して少なくありません。

実際に1990年から現在までの間で弁護士の数は2倍に増えているのです。いかに飽和状態であるかが伺えます。

弁護士
日本の弁護士の歴史

日本で初めて「弁護士」という存在ができたのは、1893年に弁護士法が制定されてからです。 それまでの …

弁護士
欧米、中東の弁護士事情

アメリカ合衆国の弁護士事情 アメリカにいる弁護士は80万人を超えています。 日本と同じように国家資格 …